エジプト人日本語学習者の助詞「に」「で」の習得と誤用分析

نوع المستند : المقالة الأصلية

المؤلف

カイロ大学文学部日本語日本文学科

المستخلص

日本語の助詞習得に困難を感じる学習者が多いことは既に多くの研究により取り上げられている。特に、「は」と「が」や、「に」と「で」、「に」「で」「を」の使用混乱が良く見られる。助詞習得には母語の影響もあることは既に研究で取り上げられ、「に」「で」や「は「が」に似たような助詞がある母語話者ならこれらの助詞は比較的習得しやすいことも指摘されている。もちろん、場合により、使用過剰もあることが指摘されている。
しかし、自分の母語に場所を表す助詞や前置詞には「に」と「で」の区別がない学習者にとって、この概念自体理解するまで時間がかかる。本文で使用した学習者の作文では、「*日本では面白いことわざがある」や、「電車を乗った」のような誤用が多く見られた。
本論文では、今までにほとんど取り上げられたことがないエジプト人日本語学習者を対象にし、アラビア語を母語とするエジプト人日本語学習者の「に」「で」の助詞の習得および誤用を取り上げた。
先行研究では、中国人日本語学習者、韓国人日本語学習者や英語母語話者日本語学習者が数多くの研究で取り上げられているが、アラビア語母語話者の日本語学習者はそうではない。
本論文では、アラビア語エジプト人日本語学習者における「に」「で」の「存在」の機能や「場所格」だけでなく、これらの助詞の用法を包括的に取り上げ、習得経過および誤用を分析した。本論文では、まず、アラビア語エジプト人カイロ大学の日本語学習者が6カ月に渡り、書いた作文を分析し、正用および誤用の両方を分析した。さらに、学習者自身はこれらの助詞の選択の際、どのような選択基準に基づいて選択したか理解するため、学習者にインタビューをした。